SPUR(シュプール)7月号町田樹さん対談(その3)

性差の事でもう少しだけ、町田君の「火の鳥」やジョニーの白鳥といった、バレエでは女性がやる役柄を、フィギュアスケートでは男性がやることがある。

ジュニアの時に町田君「白鳥の湖」滑っていたけど、あれも多分白鳥を演じていたのでしょう。
バレエでは、ボーン版「白鳥の湖」みたいに、男性が白鳥をやるときは、かなり異色だと話題になる。
実際は雄も雌もいるはずなのだけど、鳥系はバレエでは女性のイメージだ。
フィギュアスケートでは普通に男性も滑る。

佳菜子さんが、「オペラ座の怪人」でSPとフリーで、ファントムとクリスティーヌをやるというユニークな試みをしていた事もあったと思う。
ダンスマガジンのトゥシューズ特集で、男性がトゥシューズで綺麗なポーズをとっている写真があり、そういう男性ダンサーもいるようですが(その号さがしてみようかな。ちなみに女装したりしているわけではない)、まず異色なので、バレエよりフィギュアスケートの方が、性差はないと思います。

で、今回は、外からの物語化で消費されてしまい、フィギュアスケートの、プロ化していない若年のアマチュアスポーツ選手故に、それに対して対抗する適切な言葉を持たない問題。
かつての安藤美姫さんを思い出しましたね。

後なぜか、岩崎恭子さんも思い出しました。
競泳ですが、バルセロナ五輪で史上最年少のわずか14歳で金メダルをとってしまい、それ故に家族共々地獄を見るハメになった。
ドキュメンタリーも以前見たのですが、あどけなく可愛らしい外見も災いしたのか、変なストーカーみたいなのに狙われたり。
しかも当時まだストーカーという言葉もない時代でしたからね。
対抗する術もなく、潰され、可哀そうでした。
ドキュメンタリーでは、後に乗り越え、明るく水泳の先生やっていて救われましたが。

アスリートはタレントやアイドルではなく、特に未成年者ほどそういう風に扱ってはならない。
タレントやアイドルを馬鹿にしてるわけではなく、そういう人たちになら何をしてもいいということでもなく、未成年者アスリートは、守ってくれる事務所もなく、自身のキャラクターを出していく仕事をしているわけでもない。
ただ、競技に一生懸命な存在なのだから。

そもそもスポーツ報道は、かなりレベルが低い。、選手にしょうもない質問したり。
あと、何食べたとか。
オリンピック報道にうんざりする人が多いのは、
その競技の事や、選手の技能についてより、半ば勝手に創り上げた、その選手の物語性だのばかり報道するからでしょう。
視聴者側もレベルが低いのかもしれないが。

対抗するために、もしくはただ生きていくためだけにも、適切な言葉を持つ能力というのは大事ともいえると思います。
私はアスリートでもなく、未成年でもなく、ただのおばさんですが、その能力はまだ持てていないと思う。

アスリートでなくても誰にとっても、
言葉を持つということは、生きていくことであり、人生という表現活動なんですね。

他にもいろいろ感銘を受けましたが、とりあえずこのあたりで。
インタビュアーが武田砂鉄さんならではの内容になっていたと思います。
武田砂鉄さんは、過去町田樹さんの事を二度ほど語っていましたが、今回もですが、町田さんの演技そのものについては触れたことないので、その辺り不満に思う人も見かけます。

でも、演技についてはもう多くの人が語ってくれていますし、(特にフモフモさんのコラム、幾度か町田君のことも取り上げてくれていて、いつも面白く、「町田樹の世界」にも入れて欲しかったくらいだった)、それとは違った、自身の角度から切り込んでくれていて、全部に同意とかではなくとも、こういう切り口もあっていいのではないか。

おそらく砂鉄さん的には、町田さんはマスコミの思い描く物語に安易に乗らなかった人であり、それ故に好きになったのだと思う。

ダンスマガジンの方も読みましたが、こちらはこちらでダンスマガジンらしい内容になっていて、また違ったおもしろさがありました。

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