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zoom RSS 「わろてんか」その2と、大河等実話ドラマについて(やや追記)

<<   作成日時 : 2018/04/14 20:29   >>

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もう新しい朝ドラが始まって二週経つ中、前作「わろてんか」のことなどなかった事にしたいですが、その1と前回書いてしまったので、一応その2。
この作品に好意的な方はスルーで。


大河ドラマや実話系朝ドラといった、実在の人や歴史、実際の出来事などを元にしたドラマを考えるにあたって、絵画も参考になるのではと思いました。
というのは、ぶらぶら美術・博物館での「怖い絵」シリーズで、監修の中野京子さん解説での「ジェーン・グレイの処刑」の絵についてを見たのがきっかけです。

ロンドン・ナショナルギャラリーにあるドラローシュ作「レディ・ジェーン(ジェーン・グレイ)の処刑」という絵画作品は、実在の人物、実際の出来事が描かれています。
が、事実そのままとは微妙に異なります。
舞台美術も手掛けていたという作者は、まさに舞台の一場面のような構成で、実際には黒い服だったというジェーン・グレイに、まばゆいほどの美しい白い衣装を着せました。
その結果若くして処刑される少女の無垢さが際立ち、傑作と呼ばれる作品となりました。
実際白の衣装に一番衝撃を受けたという感想もよく見られます。

このように真実を土台にして、より胸を衝かれる作品にするのが、ドラマでも傑作と呼ばれるものになるのでしょう。

実際と同じように黒い衣装を着せ、特に工夫もなくただ真実を写し取っただけのものは、ドラマでも凡作になったりしますが、場合によっては駄作とまでは言われないかもしれませんし、誠意は感じられるかもしれません。

そしてショッキングピンクの衣装を着せたりけばけばしく見せたり、そういうのをドラマでも改悪とか駄作とか、実在の人への侮辱とか、つまらないとか言われるものになるのでしょう。
大河でもなんでも、史実と違うと文句言うのはそういう時です。
別に何でもかんでも史実通りにしろという意味ではありません。

「わろてんか」ですが、残念ながらまさに改悪、駄作というものになっていたと思います。
恋愛結婚、駆け落ちという改定をしていましたが、駆け落ちなんてけしからんという事ではなく、モデルとなった吉本せいさんの生き方が正解なんだという事でもありません。

親の決めた相手と結婚して苦労を重ね、「貞女二夫に見(まみ)えず」とか、浮気して遊んでばっかりの夫の代わりに働いてとか、偉いともなんとも思わないし、今どき何ら参考になるものでもありません。
が、それが彼女の芯であり、強さであったはずです。
また、時代でもあったはずです。
そこを否定して、なぜ吉本せいをモデルにドラマを作ろうと思ってしまったのか、なぜその時代を描かないのか。
その1でも触れましたが、そこが本気で疑問です。

ドラマはフィクションだからとよく言い訳をしますが、この人がモデルだと言われれば、そういう風に見るものです。

また今回、俳優、女優に漫才は厳しいと思いました。
何故芸人を使わなかったのか。
見ていてイタくて苦痛でした。
笑いをきちんと描かず、馬鹿の一つ覚えみたいに「笑いは素晴らしい」的な事連呼されても、空虚にしか響かない上にイライラするだけでしたよ。

キャラを使い捨てにしておいて最後の週に新キャラを出したり、構成も変でした。
もう迷走して混乱してたんでしょうねえ。
とにかく全体的に、センスがないと強く感じました。

興行というのは、綺麗事では済まされない部分もあるでしょう。
成立から黒い影もあったようですし、吉本興業といえば、独立しようとした芸人が干されて餓死したり、札束で芸人を縛ると揶揄されたり、ギャラがどうのとか、今でもクリーンなイメージではありません。
しかしそれでも多くの人を惹きつける魔力のようなものがあるのでしょう。

朝ドラではハードルが高いと言えましょうし、そうしたものを描くという覚悟がどれほどあったのか。
吉田智子という脚本家も悪いですが、制作者の罪が一番深いと思います。
少なくとも、実在の人のドラマを描く資格のない人達という印象を持ちました。

ドラマを見ないため、この脚本家の他の作品は知りませんが、完全オリジナルなら、もっとマシな作品になったかもしれません。
史実の人物をめちゃくちゃにして時代を描く気もないドラマでしたが、一応縛りがあるため、何もかもが中途半端な出来になっていました。

その1でも恋愛ドラマとしても出来が悪いと書きましたが、お互い何が好きなのか全然伝わってこないのに加え、どの恋バナでも、相手を思いやるという事が全然見えまぜんでした。

キャラクターの出来は、伊能栞が特に酷く、存在意義はほぼなかった。
高橋一生さんがキモく見えるとは。
モデルは小林一三と言われていますが、これ本当なんでしょうか。
かすりもしてなかったと思うのですが。

高橋一生さんが長々と意味もなく出演しつづけさせられていたのは、「おんな城主直虎」の小野政次でブレイクしたつながりかもしれませんが、私はあのドラマで一番良かったのは、たしかに高橋一生さんの小野政次とは思いますが、同時に一番良くなかったのもまた小野政次だったと思っている。

というのは、小野政次を、主君を守るため悪役に徹するという、ある意味萌えキャラにしたがために、主人公含む井伊家中が悉くボンクラ化してしまったからである。
萌えキャラとしては秀逸だったと同時に、これは見ていて、愉快ではなかった。
そもそも、悪役を演じなければならない意味もあまりなかったし。

途中で話が逸れましたが、上手く改定創作できなければ史実通りにやるべきだったし、それも嫌、モデルとなった人物になんら共感もリスペクトもできないなら、引き受けるべきではなかったし、託すべきではなかった。


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