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zoom RSS 「おんな城主直虎」第三十回まで

<<   作成日時 : 2017/08/04 20:58   >>

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もうチラチラ見ているだけ状態なので、あんまり言う権利もないのですが、今までの中でちょっと思った事。

あ、このドラマに好意的な方はスルーでお願いします。


時代考証の大石泰史氏の著作などをざっと見たりしている程度ですが、井伊というのはかなり闇深い一族なのではないかと言う印象があります。
嫡流、庶流が常に争っている印象がある。
そういう観点からすると、このドラマは嘘っぽく感じてしまう。
「井伊家伝記」など、井伊や徳川を一ミリたりとも悪く言えない時代に書かれたものを元にしているという点でも、どうもなあって感じである

小野政次を単なる悪人とはしてないけど、未読であらすじ見ただけだから言いにくいが、井伊直虎が主人公の小説「紅と剣」も、やはり単なる悪人ではないみたいなんだよね。
だからこのドラマは独創的と評価できないな。

あと、そもそも前にも言いましたが、井伊直盛の娘と直親が幼馴染で許嫁というのは、年代的にちょっと無理があるんですよね。
よって直盛の娘が直政の養母というのも、やっぱり無理がある。

武将ジャパンの本郷和人氏の連載で(圧力でもあったのか、今連載止まっちゃってますけど)次郎法師=次郎直虎というのは、抹殺された後継者(直盛の息子)という、ちょっとぶっとんだ論を展開していましたが、しかし次郎法師黒印状といった一次史料を照らし合わせると、一定の説得力があるというか、そう考えるとすっきりするな、と思えるものがある。
井伊直盛に息子がいたという史料が何一つないから、ぶっとんで見えますが。

ちなみに井伊直政の死後、お家騒動が起こり、そこに家康が介入して、彦根藩の二代目は、直政が冷遇していた側室の子直孝に(彦根藩は直孝の代で飛躍)、正室の子で直孝の兄の直継が左遷(最終的に与板藩かな)となったが、政次の甥の亥之助君(朝之)はじめ、井伊谷の面々は左遷された直継の方につけられているということだ。
これは何を意味するのだろうか。
直政がそんな処遇を望んでいたとは思えず、直政って本当に家康に寵愛されていたのか?とか思ってしまう。

ドラマに戻すと、人物描写が今一つ。
しのにしても、家臣の娘だった分際で当主の直虎に偉そうなのは変わりないが、再婚という名の人質を受け入れ、虎松に言い聞かせるのは立派ではあったが、今更そんな場面見せられても、成長したなというより、なんで最初あんな変な描写したんだとしか思えないし、あそこで脱落した人多いと思う。
一度脱落した視聴者はもう戻ってこず、だから視聴率が下降していってるんだと思う。
中野ジュニア、奥山ジュニアの最初の方の稚拙描写もそうだ。
あの辺りでうんざりして脱落した人もいると思う。

ちなみにこのしの(ひよさん)だが、直親の隣に墓があるそうだが、再婚したのにそれって変じゃない?

そして個人的に一番の問題は、今川描写だ。
今川氏真の描写が非常に残念な感じである。

ところでこの間「歴史名館 ヒストリア」で氏真夫妻の事をやっていて、面白かったけど、剣術の腕前もかなりのもので、家康との戦い結構頑張ってた事もやって欲しかった。
ドラマでもヒストリアでもその辺りすっ飛ばされていたが、(遠州錯乱すらすっとばされていた)そこをちゃんとやってこそ、にっちもさっちもいかなくなった時、なんと家康の所に転がり込んだという笑撃度が伝わろうというもの。しかもその時の徳川、直政だっていたのに。

信長より先に楽市をやったり、徳政令だって、なんかドラマでは今川の圧政みたいな事になっちゃってるけど、(百姓殴ったり。さすがにないわ。そんなに直虎が慕われていたのか疑問だし)実際は内政面での功績の一つとされているはず。

内政面でも軍事面でも奮闘し、桶狭間敗戦後、必死で奔走していたのであって、寿桂尼だけ任せきりだったわけではないはず。

今の所直虎に関する資料って、ほとんど徳政令を引き延ばしたことぐらいしかないのである。
だからドラマではヒロイン上げして他下げ(今川下げ)してるわけだが、そのやり方が無理があるように感じてしまう。
この直虎がどこの誰かという点に関しても、諸説花盛り状態ではっきりしてないのが現状。
そんな人物でよく一年大河ドラマを作ろうと思ったもので、プロデューサーの責任大だと思う。

「井伊家伝記」ですら、直虎が女性だとは言ってないようなのである。
次郎法師が女性(直盛の娘)とは言ってるから、もちろん直虎も同一人物だろうというだけのことのようで。
次郎法師と直虎は同一人物なのか?次郎法師は直盛の娘祐円と同一人物なのか?というのも、これまた諸説あるし。

女性が中継ぎ当主的な役割を務めることはあっても、女性が花押を用いるといった例は、この次郎直虎以外見当たらないようで、これも直虎=女性説を疑問視する要因の一つにもなっている。

氏真は、家康の元へ行って、長篠の戦い以後の武田軍掃討でも家康の武将として参加して功績を上げているようで、もしかして勝頼と自分を重ね合わせることもあったかもしれない。
その後、牧野城主に任命されるが、一年かそこらで解任されていることから、やっぱり能無し呼ばわりされることもあるけど、解任理由は、はっきりとは分かってないんじゃないかな。
何かしらの事情があったのかもしれない。

家康は、築山殿事件で家族を失うことで戦国大名としての地位を登っていき、氏真は戦国大名を辞める事で家族を守ったわけだが、かつて今川家で共に暮らし、その後敵対して戦った正反対の二人の奇妙な関係は、なかなか興味深いものがあります。

話をまたドラマに戻して、義元の後継者としての地位にいたんだからボンクラなはずはなく、また、あんな感情むき出しにする稚拙な戦国武将なんかいるはずがなく、そういう所がシラけるところだ。
会ったことがあるわけではないけど、稚拙描写はやっぱり見ていてうんざりするところ。
ドラマの最初の方で、親世代の中野や奥山、直平といった描写も、やはりそういった意味で幼稚な連中みたいになっていた。

直平や直盛は実際にはあんなんじゃなかったと思う。
直満、直義の死は、直盛が、もしかして直平も、関わっていたんじゃないかと思う。
当主である直盛が蚊帳の外なのは不自然だし、嫡流と庶流の争いがここでもあったのではないか。

ちょくちょく脱線して申し訳ないが、今川悪人描写が残念だ。
ある程度は仕方ないけど、関口氏経側が百姓を殴ったりとか、おいおいって感じだ。
この時代の百姓は弱いだけの存在でもないので、彼らをむやみに敵に回すような事はしないはず。

個人的に視聴率が低調な一番の原因は、井伊対今川が長すぎる事にあると思う。
思えば第一話からずっとそれである。
いい加減飽きる。いつまでやってんだ。
今川サイドだが、寿桂尼だけ持ち上げていて、見ていてストレスである。
井伊パートも大概だが、今川パートが大河ドラマしているとも全く思えない。

直虎が本当に反今川だったのか疑問はある。
今川が潰れたら井伊は助かるとか、えらい短絡的な事言ってたが、今川が潰れたら井伊も潰れ、最終的には両方とも徳川にというオチ。

今川が潰れ、直虎失脚後は、徳川の息のかかった井伊谷三人衆が支配し、井伊谷は徳川と武田の草刈り場となり、気賀の悲劇も、徳川が・・・この辺りどうするんだろう。
井伊をいったん潰したのは、今川ではなく徳川ではなかったか?
「井伊家伝記」等が隠したかったのはそれで、かわりに小野を悪人に仕立てたのではないだろうか。

また、舞台が井伊谷からほとんど動かないのも、低調な原因かと。
これだけ舞台が動かない、主人公が一つの所から動かない大河は稀というか、他に知らない。
そうなると、どうしてもスケールが小さいというか、大河ドラマらしさが感じられなくなる。
これは、タイトルがおんな城主直虎だから、仕方ないのです。
これから直政にメインが移っていくと思いますが、そうなる頃には直虎はもう女城主ではなくなるので。

苦心して話を作っているのは分かる。
でも、やはり題材に無理があったのではないかと思う。残念ながら。
脚本家を責めるのは酷ではあると思う。
実在の人物の名前を使って大河ドラマと銘打ってる以上、ファンタジーですでは済まない部分はあると思う。
こんな嘘大河ドラマより、いっそ今川氏真の大河が見たい。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
 お久しぶりです。
 今回の大河は、純粋にフィクションだと思うと面白いです。(最初はつまらなかったけど、最近は面白いです。) そもそも、直虎さん自体が、男性だったかもしれないと、最初にケチがついてしまいましたし。
 井伊直政はともかく、直虎という人物を知っている方は、このドラマが始まる前まで、余程の歴史マニアか歴史ゲーム好きじゃないと知らなかったでしょうし、歴史ゲーム(だけが)好きな方はフィクションを許容します。
 前回の真田丸を私が批判したのは、真田・豊臣・石田という、(歴史ファンが、別にこの大河が始まる前から)元から好きな、この時代の超メジャーな武将を扱い、更にしなくてもいいのに、脚本家や時代考証担当の先生方が、ツイッター等で「このドラマは史実を元にしてますよー」と宣伝しまくってたからです。純粋にフィクション時代劇だと思えば腹が立たないのに、製作者側に「史実を元にしてます」と宣伝されれば、「それは違うだろ」と腹も立ちます。
 今回は、製作者側がそうしているかしないか、スルーしてますので、純粋なフィクションだと思って見てます。
 今回の大河については「ああ、またフィクション大河が始まったー(ニッコリ)」と思えば腹も立たなくなります。その後で、「このドラマの虚構部分と、実際の史実との比較」を解説していただければよいかと思います。
 ブログ主様は興味ないかもしれませんが、例えば三国志演義と正史三国志の違いを指摘するのは、三国志ファンにとって、ひとつのジャンルになっています。はは・・・・・・。
ごん
2017/08/09 05:16
ごんさん、お久しぶりです♪

うーん、そうですね。
大河ドラマですから、純粋なフィクション時代劇とは、自分には思えないです。
実際そうではないですから。
この枠を純粋なフィクション時代劇としてしまったら、大河ドラマという枠の意味って何でしょう?
ゲームでもなくて、大河ドラマですから、ある程度は事実と思って見てる人、例えば今川氏真ってあんな奴なんだ、と思う人、またこのドラマで今川氏真のイメージが付いてしまう人も大勢いると思います。
しつこいですが、純粋なフィクション時代劇ではなく、ゲームでもなく、大河ドラマですから。
しかも今後別の大河ドラマで今川氏真の出番がたくさんあるとも思えないので、名誉挽回の機会もあまりないでしょう。

実話系朝ドラでは、登場人物の名前を一部変えてフィクション性を押し出していますが、それでもこの人がモデルですよと言われれば、大概の人はそういう風に見ます。

実在の人物の名前を使って、実際の出来事をやり、じつこいですが大河ドラマ枠でやっている以上、ある程度の責任があると思います。

今回の大河ドラマは、今川描写がまず自分には不愉快で、楽しめないです。
さほど史実に詳しいわけではないですが、直虎男性説については、また書くと思います。

三国志は、正史は魏を正当な王朝として、演義は敗れた方の蜀寄りでしたっけ。
一般的に三国志というと、演義の方でしょうが、蜀人気は演義の影響でしょうね。
杏奈
2017/08/09 21:30
今回の大河について、もちろん面白いと思ってる方を非難するつもりは全然ないですよ。
感想は人それぞれですし。
難しい題材を、頑張って話を作ってるなと感心することも多いですし、創作がいけないと言ってるわけでもないんです。実際創作入れなければどうしようもないですし。
ただ、自分的には、フィクションとして見ればいいではないか、とはいかない部分がちょっとあるな、というだけでして。
要するに、個人的に不愉快なフィクションがちょっとある、という事です。
不愉快でなければフィクション入っててもいいのですが、この辺りは個人の感性の問題なので、なかなか難しいですね。全然不愉快じゃないと思う人がいるのも当然だと思います。人それぞれですから。

では、まとまりがない上に、不快な部分があったら申し訳ないです。
また直虎男性説等で何か上げたいなと思ってるので、よろしければまたお付き合いくださいませ。
杏奈
2017/08/09 21:31
 返信ありがとうございます。
 ドラマに思い入れのある武将がいるといない、そもそもその時代・地方に関心あるないで、全然変わってきますよね。
 去年の真田丸は、自分の関心のある分野ど真ん中で、まちがいだらけでしたので、不満たらたらでした。
 今回のドラマの分野は、実は私はほとんど知らないし、自分で調べる気力もないので、ここが史実と違うと教えていただけるエントリーはとても勉強になります。
 氏真で、(教科書的なお話以外で)知っていることといえば、塚原卜伝に新当流の剣術を学んだ剣の達人だったことぐらいです。
 今回のドラマでは、使われてませんよね・・・・・。(過去の回で使われていたらすいません・・・・・・。)
ごん
2017/08/13 06:45
ごんさん、こんにちは♪
いやいや、自分もにわかでして・・・色々間違っていたら申し訳ないです。
今川氏真に思い入れがあるわけではないのですが、このドラマは、氏真こんなんじゃない、というより、こんな戦国武将いない、と思えてしまうあたり、フィクションとして見ても出来が良くないかな、と思ってしまいました。
その辺りは、去年の三成もそうかな。

井伊にも思い入れは1ミリもないのですが、そして全然詳しくもないですが、色々違和感が生じてしまいました。
今BSで再放送している「風林火山」の山本勘助も資料の少ない人物で、創作が多いですが、これは昔放送されてた時、概ね面白く見ていました。
どうかなと思える部分もありましたが。
では、またよろしくお願いします♪
杏奈
2017/08/13 13:03

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